2006年10月19日
大工の手間賃
システム化された住宅を建てるのであればいざ知らず、現場で一棟一棟違う建物を建てる時には大工の腕がマイホームの成功を左右します。
そんな大工さんの手間賃について語りたいと思います。
一般的な業界のやり取りでは、1坪当たりの施工単価を決めて大工さんの工賃を決めます。
「全部現場組みだから坪45,000円もらわないと合わないよ」
とか
「パネルで入るし、断熱もこちらで入れるから29,000円でやって」
こんな感じで請け負い会社とのやり取りがあるのです。
これらの基本的な工賃の他に、特殊な造作や手間のかかる設計部分があると割り増しがかかります。
1棟あたりの大工さんの取り分は、工業化した住宅ですと100万~150万円。
手組みが多い現場ですと、150万円~250万円くらいの請負額が一般的です。
1人では棟上なんかできませんので、建て込みの時には複数の手伝いが必要です。
一般的には2~3人のチームで施工に当ることが多いのですが、この請負金額から日当を払った残りが棟梁の取り分になります。
この程度の書き方では言いたいことがある人がたくさんいるでしょうけど。
細かく説明するとキリがないので、大体そんなものだとご理解下さい。
さて、稼ぐ大工さんとはどんな大工さんでしょう。
つまり、収入の多い大工さんは、無理、無駄が少なく、仕事が速い大工さんということになります。
一棟あたりの請負金額が決まっているので、いかに早く現場を終わらせるか?
余計なお金をかけないで仕事を完了できるかで、実入りが決まるのです。
30坪位の建物であれば30日でやっつけてしまう大工さんもいれば、40日かかる大工もいます。
その結果、請負金額は同じでも収入で3割違ってくる可能性があります。
経験上言わせていただきますと、日数を早く仕上げてしまう大工さんの方が、後々の手直しが少ない傾向があります。
やはり仕事ができる人が多いのでしょうね。
一事が万事。
効率の良い人は、何をやらせても上手なのでしょうね。
さて、ここまでが一般的な大工さんの話。
中には、坪60,000円の仕事、70,000円の仕事をする大工さんもいます。
といいますか、いるらしいのです。
ちなみに北海道にはそんな大工さんはいません。
いるのかも知れませんので私が知らないだけなのかもしれませんが。
私は一緒にそんな人と仕事はしたことはないのですが、やはり仕上がったときの輝きが違うらしいのです。
前述の1棟あたりの請負金額からみると、100万円以上のアップになりそうですね。
どなたか知っている人がいましたら、コメントに書き込んで教えてほしいなぁ・・・
個人的には坪単価で90万円の注文住宅がマキシマムで、それ以上の物件は経験がありません。
それも表面仕様のアップグレードによって高くなった話ですので、技術的、人的要素で高額になった物件は経験がないのです。
それでも「見た目」はとても豪華な住宅でした。
そんな家でもパネル住宅だったので、坪28,000円で請け負わせていたなぁ・・・
ちなみに大工と言いましても、新築しかできない大工もいます。
営繕やリフォームは「経年変化」という不安定要素があるので、できる職人を選びます。
本来は直しもできて1人前の大工と呼べると思うのですが、直しもできる大工の比率が少なくなってきているのが業界の現実ですね。
大工に限らず、もっと職人の地位向上を目指さないと、将来的に自分たちの首を絞めることにも。
マイホームコンサルタントでやろうとしている地域の良い工務店で家を建てようという目的の背景には、適正な職人の手間賃の確保もあります。
大手の販売方法の背景には、手間賃をいじめられている各種職人の現実があります。
下請体質を脱却できた建設会社が多くなるほど、職人の確保にもつながるということです。
上限額が抑えられている仕事ではモチベーションに限界があるのも事実です。
良い職人が残っていく業界にしたいなぁ、と思うのです。
- by
- at 13:44
コメント
こんばんは。hiroです。
うちは社員大工スタイルで日当制で仕事をさせています。大工さんの手間請負は間違っているとの考えですので。
ちなみに、うちの場合坪当り大工6人以上は入りますから、坪70000円は軽く超えますよ。
注文建築でちょっとイイ仕事する所なら、全然珍しくないんじゃないですかね。
hiroさんありがとうございます。
hiroさんの会社の施工品質に必要な職人を使うためには、そのように大工を使わないと、意気のあった職人を確保できないでしょうし、人も育たないでしょうね。
どうも北海道が基準になってしまっておりまして、こんな記事になってしまいました。
日当制で雇っている大工を好む経営者もいますが、稼ぎたい大工は請負工事を好みますので、請負を選択するのが私の周りでは多いですね。
ちなみに手間請負が間違っていると考えているのはなぜですか?
「一軒の家をいくら」となりますと、仕事を早くやればやるほど儲かりますでしょ。
そうすると仕事の丁寧さや、その家に対する愛情が少なくなるのではと考えているのです。
当然請負制でも、きちんとやる人はやるでしょうし、きっちりと監理すればイイのかもしれません(だけど、大工さんの仕事全て監理なんてできませんし)又、日当制でやれば全部それらが解決かと言われれば、結局はその人間による所が大きいのでしょう。
だけど、うちの様に長い間大工抱え込みを続けていて、数多くの大工(辞めてビルダーの請負大工になっていく者もいます)と接していますと、やはり住宅の場合は(仕事も複雑で色々な事に気をつけ責任も重大ですから)、日当制の社員大工が合っていると考えてやっています。
経営的にみると、絶対請負制の方がいいんですがね(笑)
sugiokaさんだったら、その辺の事全てお分かりでしょうから、偉そうな事言ってすいません。
又色々な事教えてください。
hiroさんのような「住まい作りのプロ」にこれを語ってもらいたかったのです。
これは第三者であるコンサルタントが話すよりも、数倍重みのある言葉として消費者に届きます。
このような雇用形態を維持するのは、下請け仕事をしていてはできませんよね。
だから、ユーザーと直接の家作りを推進したいのです。
責任を持つためには「日当制」
これを基準に建設会社選びをする人が多くなるといいですね。
「請負」にしろ「日当」にしろ結局は最終的に建設会社が責任を持つんだからという考えで、原価管理を優先して請負でやっている会社の方が多いのでしょうね。
坪45000円は建売住宅の値段のような気がします。注文住宅ではこの値段では厳しいですね。隠れた部分まで丁寧に行うと合わないと思うのは人の常ですね。リフォームなどは坪請けではまかなえない住宅が多いので、日当で支払うのでもっと高額になります。
坪請けではそこまでは俺の仕事ではないぞ。とか現場の修正が必要だと割り増しになりますね。
できる大工さんは段取りがよいので無駄な動きが少ないですね。
一日にできる量を早めに片付けるので労働時間ではないのですね。
地域性もあるでしょうが坪10万を超えることもあります。
大工さんの給料をいじめると、丁寧な工事は難しいと思います。
ぺこりんさん
ありがとうございます。
下請けもしている建設会社ですと、北海道の相場ではこんなものなのです。
ひどい会社になると、金物まで持たせていることもあります。
大工さんの使い方からして、一般の人には外から見てどのような会社なのか知ることができません。
建設会社を見極める一助になればと思い、今回のテーマを選んでみました。
また、コメントを寄せてくださいね。
初めまして。
ウチは大手下請けから自社新築・リフォームまで請けていますが…大手下請けで坪45,000円は、北海道ではかなりましな金額なのではないでしょうか?
ウチで請けてた物件には坪33,000円なんていうのもありました。そうなれば職人をいじめるしか無いのですが、ウチも大工は日当制なので、結局会社がジリ貧になるだけでした。
物件数をこなして手が慣れれば何とかなるかなとも思ったのですが、そんなレベルじゃなかったですね。さすがにボランティアを続けるわけにも行かないので、今はそこの仕事は請けていませんが。
やはり、良い物を造るためにはそれなりの対価が必要なことは施主さんにも元請けさんにも解って頂きたいですね。もっとも、それをわかってる元請けなら、下請けに振らずに自社で職人を抱えて品質管理をしようとするだろうとも思いますが。
ひろひろさん
北海道で下請けで45000円はありえませんね。
現場組みで35000円
パネルやらプレカットなら30,000円くらいまで下がりますよね。
良い大工さんはみんな道外へ行ってしまうのはそんな背景もありますよね。
下請けの飼い殺しはもう繰り返してはいけないと思うのですが、なかなかなくなりません。
ローコストの下請けやっている職人さんたちの実情を知ったとき、入居者が本当に喜ぶかどうか考えたときに、もう少し遣り方を考えるのかもしれませんが・・・
ひろひろさん
北海道で下請けで45000円はありえませんね。
現場組みで35000円
パネルやらプレカットなら30,000円くらいまで下がりますよね。
良い大工さんはみんな道外へ行ってしまうのはそんな背景もありますよね。
下請けの飼い殺しはもう繰り返してはいけないと思うのですが、なかなかなくなりません。
ローコストの下請けやっている職人さんたちの実情を知ったとき、入居者が本当に喜ぶかどうか考えたときに、もう少し遣り方を考えるのかもしれませんが・・・