2007年05月05日
水道水は厚生労働省
「水道水にまつわる怪しい人々 三五館 湯坐博子著」という本を読みました。
とても感銘する部分がありましたので、感想を書いておきたいと思います。
水道水を管轄するのは厚生労働省です。
日本の水行政の実態を、弁護士が痛烈に批判している内容は的を得ていました。
内容をご紹介しますね。
最初に断っておきますが、水の特性や水質の説明については一切評価しません。
否定する訳ではないのですが、当社との価値観の違いもありますので、浄水の意味や水質については一切コメントはしません。
行政の考え方と、それに関わる様々な色模様。
これが実に面白かったのでご紹介します。
きっかけは知人が開発した浄水器。
これが天然鉱石だけを使って、ナチュラルミネラルウオーターを作ってしまう優れ物だった。
弁護士の仕事の傍ら、筆者はこの浄水器に心酔し、おいしい水を求める人に伝えたいということで会社まで作ってしまいます。
しかし、中空紙膜を作っている大本の大企業の陰謀で、散々な憂き目に会う中で、国民生活センターを相手取り裁判を起こした・・・
その過程を克明に綴っています。
弁護士特有の時系列を追った説明は臨場感のあるものです。
そして何よりも。
これが本当のことだとしたら、常識を持っている人間なら義憤せずにはいられない非常識な業界の感覚を実感することになります。
本当のことだとしたら、という前提ですけどね。
日本の水質が良いと思っている人は未だに結構います。
しかし、ミネラルウオーターの方がおいしいと言うことで、箱で買いこんで愛飲している人も多いでしょう。
フランスのミネラルウオーターが有名ですが、欧州のミネラルウオーターの条件は天然の状態でボトリングすること。
要するに人口的な処理は一切していないということです。
地中には一般細菌~微生物がワンサカといます。
と言うか土壌自体が微生物の塊であるともいえます。
当然湧き水と言えどいろんな微生物が中にいるんです。
それをそのままボトリングしているから、微生物だらけなんですね。
日本のように加熱処理をしているならいざ知らず、欧州のミネラルウオーターは微生物がいっぱいです。
しかし、飲んでも何でもありません。
大丈夫です。
というかおいしいと感じる人の方が多いと思います。
日本の法律ではこのような水は衛生的な水とは呼ばないようです。
微生物が一定量内在すると衛生的ではない。
最終的にはそういう解釈が成り立つ判決が下って著者は敗訴します。
浄水器に殺菌作用がなかったために、まったく無害にもかかわらず国民生活センターに良いようにやられてしまった。
そして、専門知識を持たない裁判官の判決にも納得がいかないようでした。
「もっと勉強しろよ」と叫びたかったでしょうね。
気の毒としかコメントできない惨たんたる裁判だったようです。
役所がらみでとんでもない対応をされた経験を持つ私としてはその時の記憶が蘇り、「わかるわかる」と納得することしきり。
日本の水行政を知ることと。
他の先進国の水道水の考え方を知ることができるのはとても有益でした。
この部分は高い評価をできます。
日本の水は衛生的だとはいえると思います。
薬品で殺菌していますからね。
しかし、し尿処理した水を川に放水してその下流で浄水して水道水にしている国は、先進国の中では日本だけです。
1箇所にとどまらず、2箇所もし尿処理の放流箇所よりも下流で浄水している設備もあります。
建築基準法も現代の技術水準から見た場合、欠陥法と評価される面を持っています。
水道法も同様のようです。
塩素消毒は占領軍統治時に、効率よく水を消毒するために取られた手段に過ぎないのですが、その手法が先端の科学だと当時は受け取られたみたいです。
嘆くかな、その当時の感覚のまま現代に至っている感をぬぐえません。
欧州の水質を揶揄する論調も未だに根強く残っていますが、水道水の処理についてはどの国も国力の命題として改善に告ぐ改善を繰り返しているのです。
水にはその土地特有の微生物が含まれています。
微生物は、体内微生物のバランスを容易に壊してしまうため、体調が変わることもあります。
腸内なんか微生物の塊ですから、バランスが壊れることによって下痢してしまうこともあります。
よく外国に行ったら生水を飲まないようにとか聞きますよね。
これは、微生物のバランスが変わるための反応です。
水自体が良いとか悪いとかの話ではなく、体に合うか合わないかの話ですので、水の優劣を持ち出すのはナンセンスなのです。
事実、逆に日本の水を飲んでおなかを壊す人もいる訳ですから。
ともあれ、日本の水の常識になれている人には、刺激が強いかもしれません。
そんな粗悪な基準で「衛生的な水」と触れ回っているのかと、あきれる人もいるでしょう。
水に関心のある人は、読んでおいて損はないでしょう。
内容も浄水器を売るための記事ではなく、水行政と、国民生活センターの位置づけ。
浄水器業界の構造を中心に展開しており好感が持てます。
水の説明は割り引かなければならないところがあると思います。
★★★☆☆の評価でした。
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- at 09:39
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