2007年09月27日

原価開示

当社でコンサルを請け負っている会社には原価開示方式の見積りを提案しています。

不透明な建築業界の体質を変えて、お客様に対してフェアなサービスができると確信しているからです。


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建設会社と言っても全ての工事を自社で行う訳ではありません。
必ず外注業者に仕事をお願いする部分が出てきます。
電気工事、設備工事、内装工事、左官工事。
器用な大工さんなら、多少のことはやりますが、一般的には分業制をとっているのがほとんどです。


ハウスメーカーをはじめとした多くの建設会社はそれぞれの下請けに見積りを依頼し、自社の利益を乗せたものを取りまとめて見積りを作ります。
お客様に提出する見積書は、ハウスメーカーの原価などはわからないようになる訳です。
例えば外部給排水工事が80万円となっていたとします。
実際の原価は65万円かもしれません。
このように会社の原価を見せずに売価を見せる見積書が一般的です。


ところが、このやり方をしていますと次のような時にハウスメーカーは困ります。
「おじさんが設備業者をやっていまして、その業者に設備部分をやらせたい」
こんなケースですね。


ハウスメーカーは困ります。
80万円の見積りを提出していたのに、おじさんからは65万円の見積り。
さらに親戚価格で55万円でできるぞ、と言う言葉を施主が聞いてしまっているのです。
「その部分は施主支給にして欲しい」
当然要求するお客様。


「漏水事故などの補償ができなくなりますがよろしいですか?」
彼らはこのようなトークを使って自社の下請けに任せようとします。
実際に漏水事故が起こっても、自分の腹は痛めずに全部下請け業者の保険で直すくせに「補償がつかない」と半ばお客様を不安で縛り付けるようなルールを準備しています。


実際のところ下請け業者を変えたからといって、そんなに手間がかかるわけじゃありません。
訳のわからない理由で断ろうとするんですね。
しかも、見積りの金額の差は補償や工事の品質の差だ、みたいな説明までして。


原価開示の話に戻しますが、そのような時に、本来であればお客様の要望に応じても構わないと思うのです。
お客様自身がその工事の専門家である場合も当然あるわけですから。
そういう希望があった場合には内容に問題なければ要求に応じるべきだろうと思うのです。


工程管理の問題があるから。
補償をつけられなくなるから。
問題発生時の線引きが難しい。


確かにそういう面はありますが、そんなに高いハードルにはなりません。
お互いに約束事を決めれば何とでも解決できることです。


金額の上乗せを知られることも嫌でしょうし、確かにキリが無くなる可能性もあります。
「本体はお願いしますね。電工工事と設備業者は親戚を使います。」
こんなお客様では利益も減るし、管理も大変です。
何よりも他のお客様も同じような要求をしてきた時に、同様の対応をしなければならなくなります。
1件でも例外を作ると、歯止めが利かなくなる面も否めません。


ハウスメーカーで家を建てた人に是非やってもらいたいことがあります。
もらった図面を設備業者、電気業者、内装業者、左官業者などに見積りを依頼してみるのです。
ハウスメーカーから来た見積書がいかに高い利益が乗せられているかわかるでしょう。


見比べると一目瞭然。
同じ工事とは思えないような金額が集まります。
そういう事実をあまり知られたくないのが大手のビルダーやハウスメーカーなのです。


工務店は透明性を持って説明した方が信頼を得られると思います。
外注分の原価はこのくらいですよ。
利益はこれだけいただきますよ。
堂々と説明しても良いと思うのです。


まして親戚の業者を使いたいと言う希望にも対応しやすくなります。
親戚の見積りと、原価開示の見積りの内容は金額的にほとんど変わらないでしょう。
拾い方によって多少の差は生じますが、大同小異です。
とてもフェアに判断できます。


設計料や管理費、会社の諸経費としての金額は比率からみて大きく感じるかもしれません。
実際の利益になる部分はそのような項目からしかあがりませんから。


ここでちょっと考えてみて欲しいのです。
もしもあなたが分離発注をするのなら。
簡単に建物の価格を落とすことができます。


しかし、実際そういうことをするのであれば、専門知識も必要だし、直接の打ち合わせもしなければいけません。
そして、工事が始まれば工程と工事の品質管理も必要になります。
多少努力すれがお客さんができないことは無い内容なのです。
それを請け負い会社が変わりに行う。
その分の経費をもらうのは会社であれば当然です。
そういう発想でそれらの経費を見た場合、妥当な金額であることがわかるでしょう。
最終的には責任を持って保証を行うわけですから。


実際には明朗会計になるのに、そのようなシステムで金額を提示している会社がとても少ないのが現実です。
わざわざ項目に利益を上乗せして、不自然な「一式値引き」を起こして価格を調整したりしています。
「安く仕入れることができるのであれば、そちらを使ってもらって構いませんよ。ただし、管理や保証を行う関係で諸経費は変わりません」
こういう方がスッキリしませんかね?
わかりやすいし。


経験上小規模の会社はこの形式の方が商談においても良い結果を出すことができます。
何故かと言うと、大手にできない部分で差別化にもなるからです。
しかも、原価を見せての話ですから、お客様の希望によって全体金額が変わることについてもわかりやすくなるのもメリットです。
「あぁ、これは自分が欲しいといったから高くなったんだな」
仕入れ項目の金額で簡単に判断できるんですね。
打ち合わせの内容を説明する上でも省力化できるようになります。


不透明な部分の多い見積書をたくさん見てきました。
お客様にもそれを見せて説明してきました。
大手の会社はやむを得ないとは思います。
営業マンは建築にシロウトの場合もありますから、いろいろアレンジできないような資料を作らなければならない必然もありますよね。
でも、建築のプロであるならそんな必要はありません。
もっと説明しやすく、公平に。
見積りの出し方はもっともっとわかりやすくできるんです。


原価を開示しながら説明してくれる会社との家作りの方が安心ではありませんか?
私はオススメしますよ。


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