シックハウス概略
住宅建材に含まれる化学物質によって、健康に悪影響が出る症状をシックハウス症候群と呼びます。
咳、肌荒れ、失神、アトピー、不眠、倦怠感や自律神経の不調など、現れる症状には個人差があり、さまざまな疾患を伴います。
換気が義務化になる以前の数年間。
全国で新築住宅に入居してからの体調不良が大量に発生しました。
高気密・高断熱の住宅を推奨してきている建築の基準の中で、日本では換気の重要さについて官民ともに自覚が足りない面がありました。
その結果、換気不足による結露、カビの発生。そして、建材から揮発される化学物質が部屋に充満することによる悪影響を、住人がまともに受けることになったのです。
ここでポイントですが、建材に含まれる化学物質をなくすための努力をするのではなく、換気によって空気をきれいにする方法を採用する所が、よくわからないところですが・・・日本にはまま見られる行政の指導のスタイルです。
ともあれ、建物の快適性を追求していく中で、高気密・高断熱・計画換気の組み合わせが不可欠だということにはなったのですが、副産物として化学物質の悪影響がごまかしようもなく露見してしまったのが、西暦2000年前後の日本の一般住宅業界における特徴的なゴシックとなりました。(換気のトピックを参照)
残念ながら、シックハウスに関する日本の安全基準は、世界の先進国の中で最も遅れている分野です。
ヨーロッパでは化学物質の濃度の基準は、勧告値により明確に責任が定義されており、抜き打ち検査で基準値以上検出されましたら、改善をしなければなりません。
日本は指針値といって「この基準を目指そう」程度の基準なのに比べて、勧告値は強制力を持っており、必ず守らなければならない数値です。
特定化学物質の種類も多岐に渡り、安全性が立証されていない製品についての使用制限には厳しいものがあります。
そして、その勧告値も日本の指針値よりもはるかに高い水準が定められています。
日本では2003年7月に建築物に関して使用する化学物質に対して、国土交通省の規制が施行されました。
内容は「クロルピリホスとホルムアルデヒドの規制」が主になっています。
といいますか、他の化学物質はこの規制では出てきません・・・。
「クロルピリホスは居室を要する建築物には使用不能」
ホルムアルデヒドについても「内装材でホルムアルデヒドが使われている建材を使用する場合はその面積を制限する」
「住宅で使っていなくても、家具などで使われることもあるから原則換気装置をつけること」
「天井裏も同様の考え方で」
要約しますとこのような内容にとどまっておりました。
この程度の制限で十分な対策が取れているかどうかの評価は皆さんにお任せします。
化学物質過敏症とシックハウス症候群を混同している人も多いのですが、実は違います。
化学物質過敏症はアレルギー的に化学物質に体が反応します。
家だろうが、車だろうが、お店だろうが、微量の化学物質に体が反応してしまいます。
わずかな化学物質で反応するようになると「多発性化学物質過敏症」と呼ばれるようになり、さらに症状は深刻です。
シックハウス症候群は「住宅にいると症状が出る」ことが条件です。
過敏症が微量な化学物質の存在に反応してしまうのに対して、シックハウス症候群は特定の住宅に限定されるといっても良いかもしれません。
特定の住宅の条件としては、化学物質とともに、ハウスダスト、電化製品の電磁波の影響など、化学物質に限定されないアレルギー的なものも含まれます。
特にハウスダストはカビや細菌が乾燥して室内に浮遊しているものや、ダニの死骸、糞の乾燥したものが同様に室内に浮遊したりする場合もあります。
中古住宅を買う際にはどのような換気装置を採用しているか確認しておいたほうが良いでしょう。
ない場合は取り付けられるかどうかを確認してから購入した方が良いでしょう。
科学的な根拠が乏しいことや、環境との関連付けが難しい状態でも、反応が出てしまうことがあります。
科学的には何も反応するものがないはずなのに、症状が出てしまうことがあるのです。
そのような状態を見て、「シックハウス症候群はわがまま病」という人もいます。
話がそのレベルになると免疫のない建築業者はもうお手上げです。
原因の追究のノウハウを持っている業者を選んでもなお、発祥する可能性は「0」ではありません。
解決するまで共に歩める信頼関係を築ける業者を見つけることが成功の鍵です。
業者選びの基準として過去の実績も大切ですが、話を聞いてくれる姿勢を持っているかどうかの方が大切といえるでしょう。
シックハウス対策の実績のある会社の中には、長期間その家に暮らすと、逆に体内の微生物のバランスを壊す可能性のある住宅を作っている会社もあります。
「薬のような効果があります」なんて説明もしているようですが、薬は病人に必要なのであって、健康な人が飲むと副作用のほうが悪影響になります。
体のバランスを整える作用を持っている住宅が望ましいといえますが、本物の知識と技術を持っている建設業者がどれだけいるでしょう。
個人差もありますし、複雑な面を持っている問題ですので、時間をかけて情報を発信していきたいと思います。