2009年06月16日
グランドピアノのある家づくり
先日グランドピアノを置く予定のお客様からお問い合わせをいただきました。
そういう要望があれば説明をしていますが、そういえばブログの記事を書いたことはないと思いましたのでグランドピアノのある家づくりについて、基本的な要点に絞って書きたいと思います。
実は昔ピアノを習っていました。
中学三年までやりまして、ショパンで「こりゃダメだ」と能力の限界を感じてやめてしまったことがあります。
アップライトピアノとグランドピアノを比較した時の一番の違い。
それは鍵盤の戻りの早さです。
構造上アップライトではハンマーの戻りが遅いため、上級者たちの弾くスピードには適しません。
グランドピアノは重力によって戻りが早い構造になるため、音質もさることながら32分音符などの早弾きが必要な上級曲には必要なアイテムになってきます。
もちろん、私には必要ありませんでした・・・
さて。
グランドピアノの重さは軽いものでも250キログラム。
重くなりますと500キログラム近くになる製品もあります。
ピアノの足は3本。
局所荷重で100キログラム相当以上の負荷がかかり続けることになります。
これは木造住宅に極端な負担を強いることになるため、足の設置部分には補強が必要になるのが一般的です。
それで床が抜けることはありませんが、荷重による負荷により、フロアの表面に亀裂が入ったりする可能性はとても高くなります。
また、最近はバリアフリー仕様の住宅が多く、ネダレス工法で玄関土間からの床段差を低くしている住宅が多いです。
ネダレス工法の場合ですと、床下の束を増やしてグランドピアノの足の位置に補強を入れる必要があります。
さらに。
移動する可能性があるのであれば、その場所にも対応策を施しておく必要があります。
二階に設置することも可能ですが、その場合は支えるための構造がよりシビアになります。
重たいものを上部に乗せるほど、耐震性能にも余裕を持たせた設計が求められます。
これはグランドピアノだけではなく、二階に温水器などの局所で500キログラム相当の荷重を乗せるプランに共通する問題です。
設置するための進入口と同時に重たい物を上に配置しても大丈夫な建物にするための設計も当然必要となる訳です。
布基礎であれば、基礎の打ち方からはじまり、構造壁の位置、梁の位置など二階に設置することに対する要件はシビアになります。
木造のハウスメーカーでは、二階に置くグランドピアノとウオーターベッドのまわりの部分の瑕疵発生については、保証の対象外だとお客様に念書をもらわないと施工しませんという会社もあります。
強度に関してはそのくらいの話として。
音の問題が二点。
屋内で反響する音、残響する音などノイズとなる音質の低下をキャンセルする問題。
そして、床の水平が狂うと音も狂うので、調律をしなければならない問題です。
気密性の高い住宅では、防音性も高くなるため近所への迷惑はあまり気にしなくても良い反面。
その家に住んでいる人には絶えずピアノの音が聞こえている状態になります。
エゴグラムで心理分析すると傾向がわかるのですが、音に敏感な体質の人もいます。
頭痛持ち、神経性のストレスがたまりやすい家族がいる場合には、多少予算をかけても防音性の高い空間を作らないと、家族に対する配慮から、練習のモチベーションが上がらない可能性があります。
短調の楽曲は「憂い、悲しみ、悩み」を表現した名曲が多いのですが、その音による効果によって聞いている人にも影響を与えます。
どんな曲を聴いても心に変化が起こらない人はいないと思われます。
ストレスの多い人には本来元気になる曲や、癒し系の曲がいいのですが、練習する楽曲がそういう曲ばかりではありません。
練習=受動鑑賞(造語です)、必ず家族が聞こえる環境であるならならば、家族の理解、協力は不可欠になります。
むしろ、家族のきずなが強まるのでそういう環境で練習させたい、と考えている人もいるようですので、この辺はお客様の目的により提案内容は変わってきますが。
床の狂いは音の狂いにつながります。
目安ですが、木造住宅で本格的にグランドピアノを練習している場合ですと、半年に一回は調律している家が多いようです。
プロになると毎月するのが当たり前、という人もいるようですから音に敏感な人であれば、狂っている音程で曲を弾くのが苦痛を感じることもあります。
木造住宅は春夏秋冬、四季において多少「動き」があります。
その動きによって精密機械である楽器にも狂いが生じ、音も狂うということになります。
一階に設置するよりも二階に設置する方が当然狂う可能性が高くなります。
基本的な注意点としてはこの程度が考えられます。
引っ越してから「想像していなかった」と困らないために、これらの問題についてはある程度想定しておいて、リスクマネジメントを取り入れた計画にすることをおススメします。
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- at 14:49
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