2009年08月12日

心理学と間取りの関係

間取りは心に影響するか、という問題。

心は客観不可能です。

第三者が観察できる「物的」な対象ではありません。

しかし、経験上「間違いなく大きな影響がある」と断言できます。


マイホームは子育て世代が圧倒的に関心を持ちます。

当然ながら、子供とのコミュニケーションがうまくいくように望みます。

「良い子に育ってほしい」

これは多くの親たちに共通する思いでしょう。

しかしながら、子育てと言うのは思い通りいかないもの。

好ましい面と、好ましくない面を子供から感じ取ることを経験します。


あるハウスメーカーでは発達心理学を導入した間取りを企画化しています。

子供の心理に焦点を当てた間取りを考え始めたところです。

当社の見解ではそれは無意味ではありませんが、根本的な問題解決にはなりません。

なぜなら、子供の心理と言うのは親の影響が大きいからです。

子供の心理に焦点を当てても、影響を与える親が変わらなければ大きな効果はありません。

好ましくない一面が現れるのには、必ず原因があります。

その原因が「親に起因する」ものが多い。

それが当社の見解です。


例えば。

いつも心穏やかに子供に接することができたらどうでしょう。

愛情を注げますよね。

イライラせずに、感情をコントロールして思いやりで諭すこともできます。

しかし、心のゆとりがないと、声を荒げたり、感情的になったり、すぐに手を上げてしまったり。

要するに親の心の状況が子供への関わり方に大きく影響するのです。


発達心理学では子供の心に焦点を当てるため、親のストレスを軽減する視点が欠けます。

お父さんの疲れやストレスは、何が要因なのか?

心の問題なのか、体の問題なのか?

そしてそれはどのようにすれば解消できるのか?

お母さんについても同様です。

毎日疲れをリセットし、ストレスが溜まらない生活習慣を得るための機能を間取りに持たせること。

子育ての環境をできるだけ良くしたいのであれば、親の心へのケアが不可欠なのです。


客観できないことから心理学的な見解を軽視する人も多いのが現状です。

しかしながら、全国でニートが60万人を超えたという統計もあります。

団塊世代の標準的なマイホームが普及されてきた中で、住環境や親との関わりの中でこれらの結果が関係していることは関連付けするのはこじつけではないでしょう。

住宅の環境、親の心理状態の影響。

それらが人格を形成する上で、何らかの影響を与えた結果、これだけ多くの「人とかかわりを持てない大人」が増えてしまったと考えることで、いろんな解決方法の提案が可能になると思われます。


心理学が科学的ではないと感じる多くの人たちの主張はこんな感じです。

客観不可能。

追認不可能。

低い再現性。

人間のひとりひとりの個性が違うため、統計的な分析では限界があります。

共通する点から問題を解いていく必要があります。

共通する点。

親が極度のストレスが習慣化しているケース。

ストレスを軽視して、積極的に対策を考えないケース。

子育てを母親だけに任せて父親が子供との交流を行わないケース。

これらは多くのニートが生まれた家庭に共通していると思われます。

個人的なニートの現場では、それらは共通していました。

これらの統計を取ることで、対策方法も見えてくるのですが、国がそこに気付いて対策するまではまだまだ相当な時間がかかるのではないかと思われます。


大人になると、人から注意されることが少なくなり、自分の姿が見えづらくなります。

分析が甘くなってしまうんですね。

家づくりを考えるタイミングで、もっと自分のストレスのことを真剣に考えても良いのでは?

いつもながらそう感じてしまうのです。


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