2009年10月02日
シックハウスの画期的な判決
裁判で争っていたのは2000年に購入したマンション。
当時は24時間換気も義務化されていませんでしたから、揮発した化学物質の成分が室内に充満する最悪の状況だったと想像できます。
体調不良に始まり、やがて仕事ができなくなるほど深刻な状態に。
裁判を起こした日はわかりませんが、2002年にはやむを得ず転居をしていますので、そのころから争っていたはずです。
長い年数をかけて、本当に大変だったと思います。
ある弁護士のコメントが業界の体質を非常に良く言い表していまして印象的でした。
「非常に画期的な判決。同種訴訟で敗訴しそうになると、和解に持ち込み公表を避ける業者が多いので、勝訴判決は珍しい。業者の不法行為(ずさんな説明)やシックハウスのみならず化学物質過敏症の健康被害を認定したのも初めてだろう」(毎日新聞)
和解に持ち込み公表を避ける業者が多いので勝訴判決は難しい、とあります。
マイホームコンサルタント注意を喚起している部分ですね。
裁判だらけの会社でも、和解に持ち込んでしまえばお客さんは公表できなくなる。
裁判を続けていくには、資金と時間のエネルギーが半端ではないので、力負けしてしまうのが一般的で、最後まで続ける消費者がほとんどいないのが現実。
だから、訴訟だらけの会社でも社会にその事実が知られることはなく「信用第一でやっています」なんて営業トークを鵜呑みにするととんでもない目に合いますよ、と警鐘をならしています。
「おたくの会社は裁判を起こしたり起こされたりしていますか?」
この質問は絶対にすべきです。
しなければいけません。
業者選定の時に必須の確認事項です。
「言いづらいのですがお客様にも最近はクレーマーがいまして、根拠のない裁判を起こされている人が多くなって困っています」なんて回答が来たら即刻その会社との商談はやめた方が良いです。
今回は記事の本筋じゃないのでこの辺にしておきますが、消費者は限られた事実しか手に入らない社会構造であると認識することをおススメします。
さて本題に。
画期的だと称賛された内容ですが、このマンションはおそらく法規的な基準はちゃんと満たしていたであろうという点です。
換気システムが装備されていなくても、化学物質だらけの空間であっても、法的な範囲内の建物であったはずなのです。
「なのになぜ裁判で負ける?」
無過失責任において製造者、販売者の責任を認めた、という意味だろうと見ています。
過失はないけど責任があるよ、ということですね。
同時に、住人は居住を目的に購入するわけですから、目的にあたわない品質について事前の説明と同意がなかったために、契約の判断を間違えたのは消費者には責任がないことを認めている訳です。
この判決によって、建物の販売時における説明の考え方が変わる可能性が出てきました。
自分の責任において判断したので、わからないことはありませんから後で文句を言いません、という内容の同意書とかをもらい始めるんでしょうね。
完全に責任逃れですけど。
カナダの実例を挙げますと。
会社を作って5年くらいしたら解散して別法人を作るのが一部で起きているらしいです。
要するに有限責任ですから、法人が解体していれば数年たってからの訴訟は空振りする、という発想ですね。
この形式を日本でも取り入れる会社が出てくるのではないか、と見ています。
一部の悪質リフォーム会社はすでにやっていますけどね。
会社を作って1年、2年で解散。
訴えようと思ってもどこにも責任を追及できない、というやり方ですね。
イヤイヤ。
本当に怖い話です。
被害者の方は勇気を持って、称賛すべき姿勢で世の中の矛盾に対して臨まれたと思います。
建設業者も販売会社も判決を謙虚に受け止めて、人が住むということがどういうことかを考える良い機会にすべきだと思います。
「安心」してもらうことが何よりも大切なことじゃないですか。
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