2009年12月01日

長期優良住宅は本当に優良か?

国から補助金も貰えるということで話題になりましたが。

作り手として関心を持った建設会社も少数派。

札幌の建設業者数は8000社を超えますが、エントリーをしたのは200社弱。

その中でさらに申請を行った会社は6割程度まで少なくなります。

長引く不況の影響もあるのでしょうが、「本当に優良なのかどうか」という問題もあるようです。


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10月27日、防災科学技術研究所・兵庫耐震工学研究センターで行われた実証試験において、耐震等級1の住宅と耐震等級2の住宅の比較試験が行われた。

耐震等級は「1」を基準にし、「2」は「1の1.25倍」

「3」は「1の1.5倍」の耐震性を計算上持つことになる。

今回の実験は1と2の比較試験。

開始後10秒程度で「1」は土台が試験装置から破損により浮いた状態に。

「2」は固定金物により全ての荷重を受ける形になり、結果として完全倒壊。

「1」は試験台の上を滑るように揺られるだけで結局倒壊は免れた。

計算上丈夫なはずの設計がなぜ倒壊してしまったのか理解している人は少ない。


日本の伝統的な住宅は基礎と土台を結束させない。

大きな地震が来ても揺れることによってその力を逃がす構造に長けている。

勘違いしてはいけないが、在来工法の事ではない。

在来と呼んでいる工法は戦後に釘を使用されるようになったことで、本来の特性とは似ても似つかない工法に仕上がっているからだ。

ここも在来の歴史を知らない「自称プロ」や「自称専門家」が訳のわからない事を言っている事が多く、多くの人に事実が伝わらなくなってしまっている。

そういう人たちの親玉が規格を作った。

だから、倒壊してしまうなんてことになる。

しかも「想定通り」とうそぶく図太さ。

精神的な耐震性はトップレベルといえそうだ。


規格にを満たしているということで申請しようとしまいと優秀な住宅は優秀だ。

数字上の耐震性を満たすことが申請の最低限の問題だが、設計上満たす内容と、実際に耐えられるかどうかは別の問題。

以前からブログでは指摘してきたが、地震対策に対しては、耐震強度を高めた二階建て以下の住宅か、基礎と土台を結束しない伝統工法が優れているとマイホームコンサルタントでは評価しています。

極端に堅くするか、極端に柔軟な構造にするか。

中途半端な建物が一番悪い。

それは同時に計画換気が可能な建物か、完全なパッシブ換気となる。

中途半端な建物が構造結露を起こして、建物の寿命を短くする。

中途半端が一番良くないので、硬軟どちらでも極める必要がある。


試験で使われた住宅は筋交いと金物で耐震補強を行っていた。

局所にかかる荷重が大きいため、筋交いでは安定した硬性が確保できないと以前から指摘はあった。

ツーバイやパネル住宅の支持者たちからの声が多かった。

しかし、全国で見た場合在来工法の比率は80%を超えている。

多数派は自分たちの正しさを過信しがちになりやすい。

今回の実証試験が良い例だ。

建設会社は長期優良制度を信じたお客様にどういう風に説明すればよいのか?

「想定通り」と説明はできない。


何かの基準や規格を作っても。

設計上の計算通りの建物になるかどうかは別の問題ということもある。

本来の目的を満たすべく内容になっているかどうかは、現場の腕によるところも大きい。

現場の腕とは職人だけのことではない。

監督とちゃんとした製品を提供する関係業者も含めた話になる。

建築とは設計図だけの問題ではなく、現場も含めた総合力が大事になるのだ。


長期において優良となるにはハード面の耐久性と共に、ソフト面の耐久性も重要な要素だ。

家族構成が変わったり、ライフスタイルが変わっても住みやすい汎用性を持っているか?

長期にわたる耐久においてもすたれないデザイン性を有しているか?

この二点は個人的には盛り込んで欲しかったポイントだ。

基準におけるソフトがない。

ハードの基準だけで推進している。


家は単なる箱ではなく、住む人を幸せにも不幸にもする影響だって与える。

長期においてそこまで考えられた規格であることが望ましいことは誰もが認めるだろう。

ハードだけの規格は、最低限それを満たせばよいという怠慢も招く。

もっと住む人本位の規格ができるのはいつまで待つことになるのでしょうね。


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