2010年04月08日
ニュースに出ました
昨日、UHB夕方に放送している「スーパーニュース」の道内情報に出ました。
ニュースのお題は「宮の沢児童センタートルエン事件」です。
非常にお粗末な事件なのです。
あまりにでたらめ過ぎる内容に唖然・・・というのが実情です。
新築工事の場合化学物質の基準濃度の測定は原則行います。
工事の品質を確認してから引き渡すのが通例です。
今回はその測定も行われていなかったというのです。
官公庁の物件を多くこなしている山忠高島建設㈱の柴田部長にも問い合わせましたが、「測定せずに引き渡すことはありえない」とのことでした。
そのあり得ないことがなぜ実際に起こってしまったのか?
原因を追及する必要はありそうです。
さて、基準値の26倍という濃度ですが、これは結構大変なことです。
というか驚異的な異常事態といえます。
現在販売されているトルエン含有の接着剤を仮に使用したとしても、そのような高濃度にならないと思われるからです。
となると、その他の原因は二つ考えられます。
①現行の規制前に製造された古い接着剤を使用したか。
②接着剤が何か他の物質と反応して、大量のトルエンが発生したか。
このどちらかです。
前者の場合、行政から安全基準の指定があったにもかかわらず、その内容に沿った工事を行っていなかったことになるし。
後者の場合、複合汚染とも言える無数の組み合わせを知らず知らずに行ってしまったための事故の可能性もあります。
いずれにしても完成後の測定をしていないということは、行政の責任は回避できないお粗末なお話と言えますが。
古い施設ということですので、換気システムがどこまで機能していたのかも重要なポイントです。
化学物質は床に滞留しやすいため、背の低い子どもや、寝ていることが多い乳幼児は吸入する量が大人よりも多くなります。
免疫力の高い大人は吸いづらい状況になり。
免疫力の低い小児が高濃度の化学物質をより多く取り入れる状況になります。
次に、これはそもそも本題になるテーマですが。
なぜトルエン含有の接着剤を使ったのか、と言う問題です。
トルエンを含まない接着剤が主流になってきているのに、なぜその現場ではトルエンを含む接着剤が使われたのか?
安全性の高い、特定成分を含まない接着剤は主流になっています。
ボンドメーカーからいろんな種類の製品が販売されています。
むしろ、トルエンを含む材料を選ぶ方が難しいと言えます。
なぜ、トルエンを含む接着剤が使用されることになったのか?
これは・・・とても不思議なのです。
現場を見ている訳ではありませんが、私の想像を超えた何かがあったのだと思います。
行政がもしも化学物質の影響が一過性のものだと軽視しているのでしたら、これはとんでもない間違った解釈です。
化学物質の影響は個人差がありますが、一過性で済む人もいれば、体内の何かの機能に深刻なダメージを与えてしまし、後遺症が残ることもあります。
生体内に取りこまれた化学物質を測定する技術を人類はまだ持っていません。
日本はこういう問題に対して、被害者が証明しなければならない風土を持っています。
製造者、提供者が安全性を証明するのではなく、何かの被害を受けた人が証明しないと話を聞かない社会構造を持っています。
この辺はEUは進んでいます。
企業側が安全性を証明しない限り、販売の許可がおりません。
食品はもちろんのこと、雑貨、家電にいたるまで、安全性の証明は提供する側に義務付けられています。
日本は違います。
危険性が証明されなければ、何を作っても、何を売っても規制されることはありません。
化学物質も半世紀にわたり野放し状態になっていたのは、そういう背景もあります。
トルエンが必要とされたのは、企業側の都合によるものです。
なぜなら、接着剤と言うのは本来ベトベトして扱いづらいモノです。
塗る時にも厚さを均等にしなければならないなど施工的な問題もあります。
在庫も長くなると固くなってしまうなどの問題もあります。
トルエンはそれらの問題を手っ取り早く解決するために重宝されました。
有機溶剤は本来溶け合わないもの、溶けづらい物同士を融合させるのに便利なのです。
作業効率も上がる。
在庫の廃棄率は下がる。
製品自体も安い。
メリットばかりを強調されて、建材の主流となって30年以上何の規制も作られずに流通してきました。
今回の事件は、その歴史を思い出させられるとんでもない大事件となりました。
公共施設の利用で60人が病院に通うという異常事態に発展しております。
日本伝統の接着剤もあるんですけどね。
「にかわ」とか「米ノリ」がそれにあたります。
にかわは施工性が低く、上手に張るためには熟練の技が必要です。
米ノリは施工性は良いのですが、製造できる人間が少なく、接着力に問題もあります。
天然素材の接着剤は、それらの特性を消費者が理解しなければクレームになるため、工事業者から積極的に薦めることはありません。
発注者である行政も無関心。
施工者である工事業者の不勉強。
これらの複合作用で、掛け算的に大きな問題として今回の事故に至ったと思われます。
新聞やテレビも、製品の安全性を勉強するための情報をもっと流してくれたら良いのに。
消費者も安全性に対しては、行政や業者に任せてしまうのではなく、事実を積極的に知る努力をする必要もあります。
なぜなら、自分で選ぶ責任は認めずに、人のせいにするのが常態化している消費者が多くの場合被害者となっているからです。
注文住宅で言うと「欠陥住宅を建てられた」なんて文句を言う前に、そういう業者を選んだ責任があるからです。
消費者トラブルでは、だました業者ばかりが問題あるように言われますが、真贋の見極め力が足りないために騙される原因を追及して「騙されない賢い消費者」になるための情報を得る場所が少なすぎる問題もあるのです。
それはさておき。
トルエンの除去も早急にしなければならないでしょう。
利用できなくて困っている人もたくさんいるわけですから。
トルエンの放散は5年程度と言われています。
完全な除去は難しいでしょうから、可能な限りの除去と、放散された物を分解する仕組みを作って、環境の安全性を高めなければなりません。
今回の事故の犠牲を無駄にせずに、予防と善後策の確立に生かしてもらいたいですね。
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- at 09:42
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