2010年07月10日

マイホーム論 4

マイホームを新築するなら、良い業者に頼みたい。

誰もがそう思うのですが、同時に誰もが迷う道。

「一体だれに頼めば良いの?」

古代ローマでは建築家は最高職として扱われていました。

あらゆる職業、あらゆる個性を理解し、満足させなければいけない。

庶民、軍人、芸術家、貴族。

あらゆる住人の個性に合った提案ができなければ建築家と認められませんでした。

現代の日本ではどうでしょう?

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まず最初に家の注文のやり方を分けてみます。

服に例えるとわかりやすくなります。

既製服。

イージーオーダー。

フルオーダー。

の三種類が服にはありますが、住宅も同様に分けることができます。


既製服はお店でハンガーに吊られていたり、棚に置かれているすでに完成している服。

イージーオーダーはベースが決まっていて簡単な変更をお願いできる服。

フルオーダーは布地からサイズ、デザインまで完全に自由にお願いできます。

既製服は建売住宅や、ガチガチの企画住宅に。

イージーオーダーはベースになる企画がパッケージになっていて、間取りや一部設備の変更が認められています。

フルオーダーは、構造材の種類、工法、気密性や断熱性、設備、内装や外壁の種類に至るまで、納得できるものを追及することができる家づくり。
「あなたらしい」
「あなたのライフスタイルに合った」
と言える、住む人の個性に合わせた設計が可能な住宅です。
これは本当の意味での「注文住宅」に相当します。


フルオーダーの注文住宅においてどれだけ満足度の高い住宅を提案できるかどうかというのは、人間学、建築学、デザイン、環境学、それらを統合して予算の中で提案するという卓越したセンスが求められます。


それ故にフルオーダーに対応する業務は誰もができる仕事ではありません。

高いコミュニケーション能力と、専門家同士のコーディネイト力、プロダクトミックスとして成功させる企画力。

住宅に関わる広い見識と提案力を持たなければいけません。


しかし、実際に世の中を見渡してみると。

随分、「注文住宅」という看板を目にします。

中身をのぞいてみると、イージーオーダーがほとんど。

基本仕様が決まっていて、間取りと設備の変更に対応している住宅が多い。

当然、構造や性能については注文が効かない。

それなのに「注文住宅」と呼んで説明している。


注文するには注文ための知識が必要になります。

消費者が広範にわたる建築知識や、建材の種類の組み合わせを完全に注文するのは難しいと言えます。

覚えることが多すぎますし、自分が本当に求めている物を専門家でもないのに、正確に表現して相手に伝えることはできません。

言外の要望をくみ取り、形に反映させていくセンスが必要になります。

注文住宅を発注する側も、注文住宅を設計する側も、この難しいコミュニケーションに対して忍耐強く取り組んで結果を出さなければなりません。

知識やセンスだけでは注文住宅がうまくいかないことはこういうことからもわかります。

高いレベルのコミュニケーション能力や、相手に対する思いやりや信頼がなければ、この作業がうまくいかず目的が果たせないのです。


建設会社は工事を請け負うことで売り上げを上げて経営を維持します。

ある程度数字を継続して上げなければなりません。

既製服やイージーオーダーで納得できる人を対象とした商品開発をしている会社が多いのはそういう背景があります。

総合的なスペシャリストを育てるのではなく、企画商品を販売するセールスを育てるのです。


ここで問題があります。

「注文住宅」と看板を出していて、お店に入ったら「イージーオーダー」しかない。

それを「注文住宅」と勘違いしたまま計画を進める消費者が多いということ。

何か納得できないという人は、そういう視点で分析してみると本来相談すべき相手ではなかったことに気付くこともあるでしょう。

セールスの目的は商品の販売。

オーナーさん本位の提案に徹すると、自社の商品の枠から外れてしまうことにもなりかねません。

そんな構図を理解して相談相手を選べばよいのですが、なかなか事前にそういう情報を理解している人も少ないため広告に誘われて訪ねて行く人が多いのが現状なのです。


既製服は説明するまでもありませんね。

出来上がっていますから、それを見て気に入るかどうかです。

とてもシンプル。

建売や、中古住宅(古着に相当)は見たまんまです。

ただし、どういう素材を、どういう手間をかけて作られた物なのかは素人には判断できませんよね。

買ってすぐに型崩れしたり、糸がほつれたりなんて、服なら買い替えることができても住宅ではそういうわけにいきませんから。


あなたはどのタイプの家づくりがしたいですか?

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